NEW 猿島便り5月「アーチの違い」
愚直に丁寧に 猿島専門ガイドツアー
兵舎・弾薬庫に入ります
東京湾唯一の自然島、そして国史跡の要塞の島。
『猿島公園専門ガイド協会』は、愚直に丁寧に猿島ガイドを続けて15年、横須賀市が養成したガイドのボランティア団体です。
「専門ガイドツアー」は、明治時代のレンガ造りの兵舎や弾薬庫等にカギを開けて入り、じっくり解説します。若い人から年配者まで参加した方から高い評価をいただいております。
圧倒的な知識の専門ガイド
自己研鑽や学習を欠かさない猿島の達人たちが、島を1周しながら歴史、軍事はもちろん植物、自然などの質疑応答も交えつつ丁寧にご案内いたします。
「専門ガイドツアー」のご案内
(目印はオレンジのキャップ)
専門ガイドが案内するツアーにはAとBの2種類あります。コース内容はどちらも同じです。
A:猿島で受付 600円
B:事前に予約
▽ご家族あるいはグループで、他の人に気兼ねなく回れます。
▽きめ細かいご案内が魅力。所要時間は60分~90分。
▽乗船券購入の段階から同行します。
▽5人までは3500円定額、6名以上は1人600円ですが、詳しくは「ツアー申し込み」をご参照ください)
※ご注意 船会社もツアー実施 600円
船の運航会社も、同社のスタッフが案内する「探検ツアー」を実施しています。
専門ガイドとの違いなど各ツアーの内容をよく調べ、あるいは聞いてお好みのツアーをお選びください。
専門ガイドツアーを体験
「専門ガイドツアー」とはどんなものなのでしょう。体験版を設定しましたのでよろしかったらご一緒にどうぞ。こちらから
◇専門ガイドの「猿島便り」(5月)
◆アーチの違い
装飾は安山岩
兵舎や弾薬庫の入り口上部はアーチとなっています。日本語で言えば迫持(せりもち)です。アーチを構成するクサビ形レンガを迫持レンガと呼びます。
頂上部の石はキーストーン(要石)と呼ばれ、猿島の兵舎では安山岩が使われています(写真上)。要石は名前から誤解されそうですが、最も大事なパーツというわけではなく、力学的な大事さはどれも同じです。
兵舎に入る時に要石を下から見上げると、アーチの奥行き一杯“一枚岩”が使われ、がっちりとアーチを支える役割を担っているのが分かります。
弾薬庫との違い
アーチの頂上部に装飾を施すのが西洋の習慣のようですが、和風構造物でも目立つところに意匠を凝らします。人間の考えることというのはところ変わっても左程変わらないようです。
同じレンガのアーチでありながら、その先の弾薬庫(写真下)やトンネルのそれは、兵舎とはかなり趣が異なっています。
安山岩の装飾は居住する兵士へのささやかな心遣いだったのでしょうか。設計者の心根を垣間見るような気がします。
心せいていてはそんな微妙な違いには気がつきません。焦らずゆっくり構えると、思いがけないものが見えてくることがあります。散歩も人生も。(木)
(京急横須賀中央駅から徒歩約15分、乗船時間約10分)
※「走水」は、珍しい地名で「はしりみず」と読みます。
※アクセス:京急線馬堀海岸駅からバス「観音崎行」(約10分)「走水上町」バス停下車