愚直に丁寧に 猿島専門ガイドツアー
兵舎・弾薬庫に入ります
東京湾唯一の自然島、そして国史跡の要塞の島。
『猿島公園専門ガイド協会』は、愚直に丁寧に猿島ガイドを続けて14年、横須賀市が養成したガイドのボランティア団体です。
「専門ガイドツアー」は、明治時代のレンガ造りの兵舎や弾薬庫等にカギを開けて入り、じっくり解説します。若い人から年配者まで参加した方から高い評価をいただいております。
猿島の達人たちが島を1周しながら歴史、軍事だけでなく植物、自然なども丁寧に解説・案内いたします。
「専門ガイドツアー」のご案内
専門ガイドが案内するツアーにはAとBの2種類あります。コース内容はどちらも同じです。
※ご注意 専門ガイドツアーとは別に、船の運航会社が主催し、同社のスタッフが案内する30分ツアーもあります。
A:猿島で受付 600円
▽予約不要で毎日実施、猿島の管理棟3Fで受け付けます。
▽標準は90分ですが、45分~に見どころを集約した案内も可能です。
▽原則10時、11時、13時、14時出発(追加もあり)
▽先着20名、一律1人600円。
B:事前予約制
▽ご家族あるいはグループで、他の人に気兼ねなく回れます。
▽きめ細かいご案内が魅力のオーダーメイドガイドです。
▽乗船券購入の段階から同行します。コースはAと同じです。
▽5人までは3500円定額、6名以上は1人600円ですが、詳しくは「ツアー申し込み」をご参照ください)
※船会社も「30分探検ツアー」600円
専門ガイドとは別に、船の運航会社も兵舎などには入らずオイシイところを30分でサックリめぐり島の中程で解散する「探検ツアー」(同社HPから)を実施しています。
案内は同社のスタッフです。
◇専門ガイドの「猿島便り」(12月)
NEW ◆連理もどき
長恨歌
専門ガイドコースの途中に奇妙な枝があります。
大きく育ったカラスザンショウの2本の太い枝が、十文字に“融合”しているのです。
在地願為連理枝(地にありては願わくは連理の枝とならん)
白居易の長恨歌の一節を思い出します。
しかし、広辞苑によれば連理とは「木と木の幹や枝が他の木や幹と連なって木理が通じていること」だそうですので、幹が同じこの場合は“連理もどき”とでもいうのでしょうか。
ついでに「連理の枝」を検索してみたところ、京都の下鴨神社の「連理の賢木(さかき)」をはじめ、各地にあるようです。
「比翼の鳥」と同様で想像上の産物と漠然と思い込んでいたので、実際にあると知り、勉強になりました。
あこがれて
長恨歌は平安期の貴族の常識であり、源氏物語など日本文学に大きな影響を与えた長編の漢詩です。
「秋刀魚の歌」で知られ、詩人でもある文豪佐藤春夫は、自らは下戸なのに酒席では、その長恨歌を朗々と詠ったそうです。
昔、そんな詩人の格好良いジレッタント振りにいかれてしまった田舎の高校生がいました。
自らの凡庸を振り返ることもなく、ジレッタントを気取りたいばかりに一生懸命長恨歌を暗唱したそうです。
半世紀以上前の話ですから、その高校生も今頃は歌などすっかり忘れていることでしょう。でも、この枝を見せれば少しは思い出すかもしれません。(木)
(京急横須賀中央駅から徒歩約15分、乗船時間約10分)
※「走水」は、珍しい地名で「はしりみず」と読みます。
※アクセス:京急線馬堀海岸駅からバス「観音崎行」(約10分)「走水上町」バス停下車