◆煩悩階段
頂上への108段
今年もあとわずか。大晦日に煩悩除去を願って突くのが除夜の鐘。この階段も念じつつ踏みしめれば煩悩を払えるかもしれません。
と、そんなことを思いつつ上るのが、前回も登場した108段の階段です。
一年通してほぼ緑におおわれているのですが、この階段を上りますと夏などはどっと汗が吹き出し、時に息が上がります。たとえ冬でも上り切ったところでの一休みは欠かせません。
誰がこの意味がありそうな数を考えたのでしょう。経過を知りたくて猿島を所有する横須賀市に調べてもらいましたが、残念ながら単なる偶然のようです。
洒落っ気のあるアイデアマンに拍手しようと構えていたのに拍子抜けでした。
衆生悩ます妄念
広辞苑によれば、煩悩とは衆生の心身を煩わし悩ませる一切の妄念で貧、瞋(しん=怒)、痴、慢、疑、見を根本となし、数え方次第で108どころか48000もあるそうです。
わが身の煩悩はと省みますれば、些細なものから深刻なものまであり、なかには、とても人前では口にはできないようなものまであります。108以上あるようでもあり、そこまでは無いようでもあります。
煩悩まみれの人も、そうでない人も、たまには来し方行く末の我が身を省みつつ、階段を一歩一歩登ってみるのも一興です。(木)
2022年12月