◆アカメガシワ
ありふれた樹木
芽が赤くて葉が柏に似ているからアカメガシワ。分かり易い名です。別名はヒサギと呼ばれ楸と書きます。
通り名は分かり易いのに本名は難解という妙な取り合わせです。
新芽が赤い毛で覆われているのは虫から身を守るためにという説と、その毛で太陽光の赤色領域の光を反射し、幼い芽が灼熱から身を守るためという説がありますが、本当のところはよくわからないようです。
空き地、道路わき、塀際、どこでも遠慮会釈なく芽を出します。もちろん猿島でも。樹皮や葉などは消化器系に薬効があるそうです。
幼木のうちは良く目につきますが、成長してからは新芽も見えにくくなり、まず主役になる場面の少ない落葉樹です。
パイオニア種
アカメガシワのように、崖崩れした土地や空き地などにいち早く芽を出して元気に成長する植物をパイオニア種(先駆種)といい、エノキやカラスザンショウなどもそうです。
入学時や入社時など、元気が良くて目立ち、いかにもリーダー風に見える人物がいるものです。
将来いかほど大人物になるのかと思っていたが、気がつけばいつの間にか埋没、“その他大勢”となっていた、なんていう経験がありませんか。
私は先駆種と呼ばれる植物に出会ったとき、すっかり忘れていた昔の誰彼の名前を思い出すことがあります。(木)