見えると得した気分
日々の生活の中で、他愛もないことで気分が少し良くなり、なんとなく少し得をしたような気がすることがあります。私にとっては、思いがけずに富士山が見えた時そんな気がします。
富士山には人の気持ちをそんな風に変えてしまう不思議な力があるようです。
猿島から富士山はめったに見えないのですが、冬の間だけはしばしばその姿を現します。
米軍横須賀基地の白いビル群の上方、意外な大きさで白い山頂が望めた時は、ほとんどの人が歓声をあげます。そして、顔をほころばせ、少し得をしたような表情を見せます。
そして銭湯
銭湯の富士山もいいですねえ。お湯つかりながら壁の富士山をながめていれば一段とリラックス、といった寸法でしょう。
何時から誰が考えたのか知りませんが絶妙な壁画だと思います。
世界遺産指定もあって富士山の人気は高まるばかりのようですが、一方で町の銭湯が減って行くのは寂しい限りです。
話は脱線しますが、文豪漱石先生も当時の一般風俗として銭湯暮らしでした。
家に風呂ができた時、下女も家族もかき回して入ることを知らず、一番に入った先生は 底の冷水に驚き裸で飛び出してきたそうです。
癇癪持ちの先生もこの時ばかりは怒るのを忘れて笑っていた、と長女の筆子さんが書いています。(木)
2019年12月