天井から光

　弾薬庫の続きです。内部は前室と後室とに仕切られた二つの部屋が現れますが、前室右隅に人が入れるくらいの謎の穴があいています。

　中に入って見上げると天井が見え、上方は口が空いていて光が差し込んでいます。

　内径約１ｍ円筒のような周囲の壁には、縦の溝がきれいに並んでいます。その溝にはどうも木材が埋め込まれていたようで、よく観察すると、まだ一部残っています。

　さらに注意深く観察すると天井の中央に“ヘソ”のような痕跡も認められます。

　ここで謎々、この穴は何でしょう？脱出口にしてはハシゴがありません、煙突にしてはすすけていません。井戸にしては水がありません。

　答えは、弾丸を砲台へ揚げるための装置です

　ガイドを上手に使いましょう

　「ここは弾丸の倉庫、頭上に大砲がありました」

とヒントを出しますと、勘の良い人はすぐ分かりますし、そうでない人も大体は推測できるようです。

　でもここはちょっと我慢してガイドの出番を作ってやって下さい。

　ガイドは、この穴の説明のほか、弾丸のびっくりするほどの大きさや、大砲に関する話などをきっとするでしょう。 

　ガイドをうまく利用するコツはよく聞く、あるいは聞いている振りをすることです。さらには時々、質問の一つもすると一層効果的です。

　ガイドはその気になって、ガイドブックにないことなども一段と熱を込めて説明することになります。 

　その反対の展開はお互いの精神衛生のために避けた方は良さそうです。（木）　 

　2020年8月　

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