◆シロツメクサ

 心浮き立つ春

 ひときわ心浮き立つものは春の景色にこそ・・・(徒然草)。世を捨てた兼好法師でも春は心浮き立ったようです。

 

 陽光を待ちかねたように、道端や野原でクローバーが柔らかな表情で白い花をつけます。猿島でも頂上広場や卯の崎で見かけます。(写真は昨春横須賀市内で) 

 

 クローバーの和名はシロツメクサ。幕末にオランダからガラス製品が渡来した際、緩衝材として使われていたのが乾燥したクローバーの白い花でした。だから「白詰草」。これが命名の由来です。

 

 明治の外来種

 根粒菌を持っており空中の窒素を固定するので土地を肥やし、牧草になり、花からは上質な蜂蜜がとれます。明治以降、有用牧草として導入され、瞬く間に全国へ分布した外来植物です。

 

 live in clover というと、豊富な牧草に囲まれている家畜、という情景から転じて人々が安楽に暮らすという意味で使われます。

ウクライナ、ガザ、チェチェン、シリア、スーダン、ミャンマー、北朝鮮・・・クローバーで埋まってほしい大地を数えだすと、両手でも足りません。 

 

 安楽を求めるだけの末人になるなと、ツァラトゥストラは語りますが、過酷で悲惨な状況の彼らに、まずは安寧な日々が訪れることを願うばかりです。(木)

 

猿島航路の運航状況

渡船料と時刻表など