◆赤い船底
積載の限界?
猿島へは10分ほどの船旅です。下船して振り返って見ると、乗ってきた船の船底が赤く塗装されているのが見えます。
満載喫水。「これ以上積み過ぎると危険」というサインのために、目立つよう赤く塗装されていると思っている方はいませんか。私は子供のころからそう思い込んでいました。
しかし、船底が赤くなっているのは、目立つためとは全く別の理由でした。
赤色に至るまでには、2千年にわたる先人の試行錯誤の長い歴史があったのです。
日本銅センターという、船とはあまり関係のないように見える団体の冊子「銅誌」が、船底が赤くなっている理由を教えてくれています。
ローマ軍も苦戦
それによりますと、船が港などに停泊しているとすぐに船底に貝や海藻が付着します。とりわけフジツボは強固な厄介者で、摩擦抵抗をおこしてスピードを悪化させ、燃料を無駄に消費させる大敵だそうです。
それらの付着を防ぐためにタール塗ってみたり、スズや鉛を含んだ塗料を塗ってみたり、銅板を張ってみたりと様々な工夫が試みられたそうです。
付着物との戦いにはギリシャやローマの強力な大海軍も手こずったようです。
第2次大戦以降、環境に配慮した研究がすすみ、現在の亜酸化銅(これが赤色)の粉末に合成樹脂を配合した塗料が、広く使われるようになったそうです。
つまり、生物付着を防ぐための最適の塗料が、結果として赤色だったということなのです。
声高に語られることが無いだけで、普段目にする様々な物もそれぞれが「プロジェクトⅩ」を秘めているに違いない、と気付かせるような赤色でした。「銅誌」はこちら(木)
◆
その後、船舶技術者の話としていろいろ教わりました。
船底塗料は高価なので塗装面積を減らすため、船側は塗り分けている。しかし、高価ではあるが付着物を減らすために若干水面上に出るところまで塗装している。現在ではFRP艇や漁船などは青色や黒色も使われている、などなど。現場を知る人の話は一味違いました。
積載の限界?
猿島へは10分ほどの船旅です。下船して振り返って見ると、乗ってきた船の船底が赤く塗装されているのが見えます。
満載喫水。「これ以上積み過ぎると危険」というサインのために、目立つよう赤く塗装されていると思っている方はいませんか。私は子供のころからそう思い込んでいました。
しかし、船底が赤くなっているのは、目立つためとは全く別の理由でした。
赤色に至るまでには、2千年にわたる先人の試行錯誤の長い歴史があったのです。
日本銅センターという、船とはあまり関係のないように見える団体の冊子「銅誌」が、船底が赤くなっている理由を教えてくれています。
ローマ軍も苦戦
それによりますと、船が港などに停泊しているとすぐに船底に貝や海藻が付着します。とりわけフジツボは強固な厄介者で、摩擦抵抗をおこしてスピードを悪化させ、燃料を無駄に消費させる大敵だそうです。
それらの付着を防ぐためにタール塗ってみたり、スズや鉛を含んだ塗料を塗ってみたり、銅板を張ってみたりと様々な工夫が試みられたそうです。
付着物との戦いにはギリシャやローマの強力な大海軍も手こずったようです。
第2次大戦以降、環境に配慮した研究がすすみ、現在の亜酸化銅(これが赤色)の粉末に合成樹脂を配合した塗料が、広く使われるようになったそうです。
つまり、生物付着を防ぐための最適の塗料が、結果として赤色だったということなのです。
声高に語られることが無いだけで、普段目にする様々な物もそれぞれが「プロジェクトⅩ」を秘めているに違いない、と気付かせるような赤色でした。「銅誌」はこちら(木)
◆
その後、船舶技術者の話としていろいろ教わりました。
船底塗料は高価なので塗装面積を減らすため、船側は塗り分けている。しかし、高価ではあるが付着物を減らすために若干水面上に出るところまで塗装している。現在ではFRP艇や漁船などは青色や黒色も使われている、などなど。現場を知る人の話は一味違いました。