対象は猿島最大の構造物である大トンネルです。入口の幅が約4m、高さ約4m、長さは約90m。フランス積みで人が通れるトンネルとしては日本最古(明治17年、1884年完成)。日本土木学会も2000年にレンガの構造物として真っ先に選奨した見事なトンネルです。
まず総体積を算出
トンネルの壁は、レンガ積みの厚さで1.2mあります。大変なレンガの数です。使われている数が気になったのですが資料が見つかりません。で、概数でもと思い机上で数えてみました。
中学生の頃の算数を思い出しながら紙と鉛筆と電卓を用意。
壁も天井も厚さは1.2m、天井の弧は目測で円の3分の1と想定して計算。まず壁と天井のレンガ積み部分の断面積を求め、それにトンネルの長さをかけてレンガの総体積を求めました。
それをレンガ1個の体積(実測で22×11×6cm)で割りました。目地などは計算に入れていないので、相当乱暴な計算ですが、概数くらいは分かるかと思いました。
その結果は約92万個以上という数字が出ました。
100万個以上
トンネル内に12室あるレンガ作りの地下室のレンガは数えていませんので、それを足せば総計は100万個を超えるものと思われます。
ものの数や量は、ある“閾値”(いきち)を超えると、その量は感覚としては把握しにくくなります。
そこで今度は重さで計算してみました。
レンガ1個を2.5kg(現在市販の普通レンガは約2.4kg)とすると、ざっと総計2500トン、10トントラックで250台。
このへんになるとぼんやりとすごさがわかります。圧倒されるだけです。(木)
2020年4月
(どなたか、数を示す資料あるいはより正確な数え方をお教えただけたらうれしいです)