◆斜交層理
海底に水流
猿島は、300万年~200万年前、海底で火山の噴出物が堆積して凝灰岩となり、それが隆起したものです。
大トンネル手前の崖には、地層に対して斜めに交わる斜交層理が見られます。海底に水流があったことの証拠だそうです。
地層はその地の生い立ちを物語るカギ、猿島では地層が観察できる露頭が何か所かあります。
でも、崖に彫られた落書きにスマホを向けても、地層が語る歴史に興味を示した方は、私がご案内した限り皆無です。
閾値超え
気鋭の歴史学者ヘブライ大学のハラリ教授によれば、東アフリカでアウストラロピテクス(猿人)から進化したヒトの先祖が姿を現したのが、250万年前。この地層の出来た頃にあたります。
そんなヒト類のなかで20万年程前に表舞台に登場、7万年程前に突如大躍進して地球を制覇するに至ったのが私たちホモサ・ピエンス。途方もなく長い時間がかかりました
250万年という長さは、感覚が閾値(しきいち)を超えてしまい、時間の感覚が地続きでなくなります。
ですが、この地層の前を通る度に「これが250万年前、250万年前」と心中でつぶやき続けていたら、猿に近い先祖が少し身近に感じられるようになったのです。本当です。
試しにこの地層を見ながら「250万年、250万年」と心の中で唱えてみて下さい。(木)
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この季節、草木は元気に成長、へきえきする程元気なものもあります。そんな植物の一つにイタドリがあります。イタドリには興味深い話があるので紹介しましょう。興味のある方はこちらから。