◆砂鉄の浜辺
誰もが歓声
「わたしは砂浜できれいな貝殻を拾ったり小石を見つけたりしてはしゃいでいる子どものようなもの。まだまだ発見されることの多い大きな海を前にして・・・」。近代科学の父ニュートンの言葉です。
ニュートンが例えたのは“知の大海”というほどの意味でしょうが、猿島の砂浜に来て見れば、彼もきっと目を輝かせたでしょう。
何しろこの浜は砂鉄が多いのです。小さな磁石にウニのように吸い付いてきます。
誰でもが心のどこかに童心を持っています。磁石遊びをした時など、誰もが例外なく歓声を上げます。(この暑さでは砂浜の遊びは少々きつ過ぎますが・・・)
なぜ猿島の浜に砂鉄が多いのかは、地球物理学の学芸員に聞いても分かりませんでした。
砂鉄は錆びない?
ところで「砂鉄は鉄なのになぜさびないのか?」と疑問に思ったことはありませんか。
実は「砂鉄はすでにさびているのです」というのが正しい答えです。
鉄の元素記号はFeですが、砂鉄は「黒さび」と呼ばれるFe₃O₄(しさんかさんてつ)。それ以上はもうさびないのです。
普通に赤くさびた鉄はFe₂O₃(さんさんかにてつ)で、わずかに違います。
さびた鉄(酸化鉄)から酸素を取り去る還元反応させると、純粋な鉄(Fe)そのものとなります。日本古来のたたら製鉄も近代の溶鉱炉もこの原理で鉄を作ります。(木)
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8月がめぐってきました
八月や六日九日一五日(詠人不詳)